アイディアが嫌でも出てくるオズボーンのチェックリストとは?

2019年 02月 01日

ひらめきのイメージ

大事な開発会議があるのに、提案できるアイディアがないと焦った経験はありませんか。斬新なアイディアは急に頭をひねったところで、簡単には出ません。

しかし、アイディアは手順を踏めば苦労せずに生み出すことが可能です。その方法として、「オズボーンのチェックリスト」というものをご存知でしょうか。この発想法を使えば、これまでの苦労が嘘のようにアイディアが沸いて出てくるでしょう。

アイディアを生み出す発想法にはほかにブレーンストーミングがありますが、今回ご紹介するオズボーンのチェックリストは何が違うのか、そして実践方法はどのようなものかを説明します。

 

 

 

■そもそもオズボーンのチェックリストとは何か?


開発業務に関わるナレッジワーカーにとって、斬新なアイディアを生み出せるか否かは死活問題です。しかしアイディアは、そう簡単に出てくるものではありません。閃きがなければ思いつかないという方もいるでしょう。そのような時に役立つのが、オズボーンのチェックリストとよばれるツールです。

 

◇オズボーンのチェックリストはひとりでアイディアを生み出せるツール


オズボーンのチェックリストは、アイディアが生まれる切り口を9つの項目に分けて拡散思考的に発想を促す質問リストです。拡散思考とは、常識や先入観などの枠組みを無くすことで、広い視野や捉え方ができ新たなアイディアを生み出します。拡散思考を行えば、課題となるキーワードをもとにしてさまざまなキーワードを連想し、発想の種を見つけ出すことができます。

その発想の枝を最初から9つに広げているので、あとはその問いに答えるだけで、新たな発想につながる要素が自然に生まれます。オズボーンのチェックリストは具体的に次の9つの項目となっています。

 

◇オズボーンのチェックリスト9つの項目


オズボーンチェックリスト

 

取り組む課題や問題に対してそれぞれの質問に答えるようにして考えを書いていきます。今回は例として、新しい缶詰のアイディアをテーマに考えてみましょう。

 

1 転用

課題となる対象をほかのものに使えないか、あるいは何かを修正したら別の使い方ができないかという問いです。たとえば缶詰をほかの用途で使えないか検討します。食品ではなく別のものを保存できないか、あるいは使用後の缶詰を何かに利用できないかなどと発想します。

 

2 応用

課題に似たものはほかにないか、あるいは真似をすることができないかなどを考えます。缶詰であれば、ほかに似たような保存方法はないかどうか、あるいは似たような形状で別の用途に使用するものがないかなどと発想を広げるとよいでしょう。

 

3 変更

色や形、順序などを変更できるか考えます。缶詰であれば丸や四角の他にどんな形にできるのか、色を変えることでどんな印象を受けるかなどと考えるとよいかもしれません。

 

4 拡大

大きさや長さ、耐久性や使用頻度などを拡大できるか考えます。どんなに圧力を加えても変形しない缶詰や、何度も繰り返し使える缶詰などはいかがでしょうか。

 

5 縮小

余分なものを削除できるか、小さくしたり使用頻度を少なくしたりできるかなど検討します。極限まで小さくした缶詰、お年寄りでも簡単に開けることができる缶詰、あるいは二度と開けることができない缶詰などを開発することはできるのでしょうか。

 

6 代用

素材やアプローチ、構成要素などを代用できるか考えます。金属製ではない缶詰を作ったり、製造工程を変えてみたりしたらどうなるかなど、いろんな発想が生まれるでしょう。

 

7 置換

パターンを変えてみたり原因と結果を変えてみたりと試してみます。保存のための缶詰を、結果的に保存できるようにするにはどうすればよいのでしょうか。あるいは工場で缶に詰めるのではなく、消費者がその作業を行えるとすれば、どんな用途が生まれるのか考えてみるとよいかもしれません。

 

8 逆転

向きを変えたり役割を転換したりしてみましょう。缶詰を横から開けることはできるのか、あるいは缶詰に保存してもらうためにはどうすればよいのか考えてみると面白いかもしれません。

 

9 結合

用途や原材料、ほかのアイディアとの組み合わせといったアプローチで考えます。たとえば缶詰と洋服を合体させたら何が生まれるのでしょうか。あるいはエコな素材の缶詰というのはどうでしょう。

 

■ブレーンストーミングとオズボーンのチェックリストとの違い


ブレーンストーミングの違いとは?

オズボーンのチェックリストは、ブレーンストーミングという集団思考法を生み出したアレックス・オズボーンが個人の発想のために作りました。ブレーンストーミングは大勢で集まってアイディアを生み出すスタイルですが、実際にはひとりで考えなければならないケースが多くなります。あるいは会議の時間を短縮するためには、その前にアイディアをまとめる必要もあるでしょう。

そこで役立つのが、発想をフレームワーク化してひとりで取り組めるオズボーンのチェックリストです。それぞれの違いを詳しく説明します。

 

◇ブレーンストーミング


複数の人が集まってアイディアを出し合うスタイルです。それぞれ異なる視点から発想できることを利用しています。ただし効果的にアイディアを生み出すためには、4つの原則を守ることが必要です。

 

 

  1. 1 質より量を重視(何でもよいので質を問わずたくさんのアイディアを出す)
  2. 2 自由な発言(どんな思い付きでも自由に発言する)
  3. 3 批判しないこと(アイディアが出た時点ではその内容を判断しない)
  4. 4 結合と発展(連想したりアイディア同士を結合したりする)

 

 

具体的なやり方は、考え方の違うメンバー(上下関係のない年齢・性別・経験が違うタイプを選ぶ)が明確なテーマ・目的について制限時間内にアイディアを出し合うという形になります。ホワイトボードあるいはカードを用意して、メンバーから出たアイディアを進行役が書いていきます。時間がきたら出そろったアイディアをメンバーが見て、似たものを集めたり相関関係があるものを近づけたりします。

アイディアをまとめることが目的であれば、最終的に整理したアイディアの中から1つを選ぶことになります。あるいはそこからさらに連想できるものを別の機会にブレーンストーミングしてもよいでしょう。

 

◇オズボーンのチェックリスト


あらかじめ用意した質問に答える形でアイディアを生み出せる方法です。アレックス・オズボーンの1953年の著書「Applied Imagination(想像力活用法)」から、MIT Creative Engineering Laboratory(M.I.T 創造性工学研究室)が9つの項目を抽出してまとめました。

9つの質問に答える形でアイディアを出し、その中から有効と思えるものを選ぶのもよいですし、あるいは結合させたり融合したりすることで新たなアイディアに収束させてもよいでしょう。

 

■実践編!オズボーンのチェックリスト活用会議


会議風景

会議を開いてその場でメンバーにアイディアを求めても、そう簡単に出てくるものではありません。そこでオズボーンのチェックリストを利用して、参加者に意見を出させるのはいかがでしょうか。前もってメンバーにアイディアを出してもらえば、会議の時間を短縮できます。

 

1.準備


まずテーマを決めて会議の参加者に事前に知らせます。そしてオズボーンのチェックリストも渡して、事前に9つの質問に対する答えを用意してもらいます。

 

2.会議の流れ


会議でメンバーが集まったら、それぞれの出したアイディアを発表してもらいます。ここはブレーンストーミングのようなスタイルですが、その場ではなく事前にアイディアを出してもらっているので時間はそれほどかかりません。

会議の進行役がメンバーそれぞれにアイディアを発表してもらい、それをホワイトボードなどに書いていきます。すべてのアイディアが出そろったところで、まとめに移ります。

 

3.アイディアのまとめ


アイディアが出そろったら、似ているものを集めたり相関関係のあるものを隣に並べたりしてまとめます。その時点で新たなアイディアが生まれれば追加してもよいでしょう。すべての整理が終われば、その中からテーマに対して最も有効だと思われるものをメンバーで話し合って決めます。

 

■思考が固まった時こそ新たなアイディアチャンス


アイディアはいろんな発想が結合したり連鎖したりすることで生まれやすくなります。考え方や価値観が違う複数の人が集まれば、いろんなアイディアが生まれるでしょう。しかし、ひとりで考えるとなると発想は偏りますし、視点を変えて考えるというのも難しいものです。

そこでオズボーンのチェックリストという思考のフレームワークを利用することで、問いに答えるという簡単な方法でアイディアを生み出せます。もし会議でメンバーから意見が出ないような時には、それぞれにオズボーンのチェックリストを使って考えてもらうとよいでしょう

そのような会議を開催する時には、大きなホワイトボードなどが用意してある会議室が便利です。たとえばエッサム神田ホールでは全面ホワイトボードがある会議室も用意しています。書き込むスペースが広いほど多くのアイディアが生まれますし、議論も白熱することでしょう。